精神科の薬の勉強会
茨城県水戸市の就労移行支援事業所ブルームです。
私たちは週2回は勉強会をしています。
内容については主に以下のようなものを行っています。
・精神科関連の薬や治療についての勉強会
・医師も交えて担当しているご利用者様の相談やトレーニングプログラムの検討
今回の勉強会は精神科で用いられている「インヴェガ」という薬についての勉強会でしたので、その内容を少しだけお伝えします。
「インヴェガ錠」
このお薬は統合失調症のつらい症状(幻聴や妄想などの陽性症状、感情や意欲がわかなくなる陰性症状など)を軽減してくれるお薬です。
形は円柱状で、朝1度だけの服用で1日効果が続きます。
インヴェガの特徴はその剤型(薬の入っているカプセルのこと)です。
通常のお薬は口に入れた時から溶け始めますが、インヴェガは溶けません。
どういうことかと言うと、飲み込んだ後にインヴェガのカプセルから「徐々に徐々に」薬の成分が出てくるのです。
では、なぜ「徐々に」薬の成分が出てくると良いのでしょうか?
お薬は溶けると血液に乗って体中をめぐって、代謝(消化と似た感覚です)されて血液の中から消えていきます。
そのため、飲んでしばらくは効果があるのですが、次のお薬を飲むころには効果が切れてきて症状が出やすくなります。
もし何か都合があって飲むタイミングが後にズレるとその分症状が出やすくなりますね。
また、どのお薬にも言えることですが、効果が出すぎると「副作用」という形で体に反応が出ます。
お薬は通常飲んだ後に血中濃度(お薬が血液の中に溶けている割合)がドンと上がって、そこから血中濃度が下がっていきます。
この血中濃度が下がりきらないときに薬を飲むわけですが、いろいろな都合で早めに飲まないといけない時には血中濃度が高いにも関わらずさらに飲んでしまい、副作用が出る血中濃度まで上がってしまいます。
そんな時に、体の中でちょうど良い感じで効果が出るくらいのスピードでお薬が「徐々に」溶け出していればそのような心配もないですね。
まとめると、
「インヴェガは朝1回飲むだけで良い感じに薬の効果が出て副作用が起きにくい」
ということを狙ったお薬と言うことです。
もちろんお薬は体質等によって効きやすい・効きにくいがありますから、服用は主治医と薬剤師に確認しながら行いましょう。