セルフナビゲーション②
茨城県水戸市にあります就労移行支援事業所ブルームです。
今回は前回の続きで、セルフナビゲーションについてです。
セルフナビゲーションはただ単に就職面接のときに有利、というだけではないと考えています。 その理由は何でしょうか?
就職面接以外の時も有利である理由を知るためにはセルフナビゲーションブックの中身について知ることが重要です。 セルフナビゲーションにはどのようなことが書かれているのでしょうか?? 実は、、、作る方によってその内容は様々なんですね。
厚生労働省が出しているセルフナビゲーションブックでは働くうえでのアピールポイントや配慮してほしいことを中心に述べる形をとっています。
私たちのところでは最終的にはそういった形も必要かと思うのですが、むしろその結果に至るまでの過程が大事なのではないかと考えています。
セルフナビゲーションブックを完成させるまでには様々なことが求められます。
何といっても「自分で自分のことが分からないと」ナビゲーションブックに書き込むことができません。
私たちは「自己理解」と呼んでとても大事にしている考え方の一つです。
自分のことを知って、苦手なことも、そして実はこれが苦手な人が多いのですが、自分の良いところもしっかりと知って説明できることが大切です。
日本人の特性なのかもしれませんが、謙遜が多すぎるかなぁと思います。 謙遜は確かに美徳かもしれませんが、時にその謙遜が自分自身の可能性を押しとどめてしまうことが相談を受けている中で多いなぁと思います。
謙遜を繰り返すにつれてそれが自分に対する「暗示」のように考え方まで変えていくような・・・。
そうはっきりと思ったのはセルフナビゲーションブックを作成する中で、
「自分の良いところなんてわからなくて、悪いところはいっぱい出せるのですが・・・」という相談を多く受けた時からです。
特に最近話題になりやすい発達症。
これはまだこれからどんどん研究が進んでいく分野ですが、今は検査などで能力の偏りが現れることが一つの特徴となっています。
端的に言うと、得意な部分と苦手な部分の差が激しい、ということが特徴の一つになっています。 たとえば、
学生時代には勉強ができた、それなりにやってこれた気がするのに、いざ現場の仕事になると簡単なことのように思えることもそのスピード感に付いていけない。
気を付けているのに抜けてしまう。 頑張っているのに「まじめにやれ」と言われる。
などなど・・・。
これの一つの解が能力のアンバランスさなのかもしれません。
得意な部分を活かせるような職務にたまたま就ければよいのですが、そうでないと苦手な部分で勝負しなければならない。
ただ、特に日本は、なのかもしれませんが、「まんべんなくできる」ことを求められがちなのかなと思います。
なんでも"普通"を求められると、得意な部分も苦手な部分も目立ちます。
苦手な部分に注目してしまうと、「こんなにできていない」となるわけです。
"普通"に"できる"ことを求められるからできていない部分に目が行ってしまう。
なぜか、苦手な部分に注目してしまうと得意な部分がこんなにあるのに、そこはあまり評価されなくなってしまう傾向もある印象です。 もっと活かせる部分を活かせる環境が作り出せればと思います。
私どものセルフナビゲーションで自分の強みについてかなり掘り下げる形をとっているのはそういった理由があります。
そのココロは・・・
長くなってしまいましたのでまた次回・・・。